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  • 2021/04/30
  • 2021/06/07
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今戸焼発祥の地

(いまどやきはっしょうのち)
文字起こし
台東区今戸一丁目五番二十二号 今戸神社
今戸焼とは現在の台東区今戸の地で焼かれてきた日用品の土器類・土人 形類のことで、かつては江戸を代表する焼き物として繁栄していた。地元の 今戸神社にある狛犬台座には宝暦二年(一七五二)に奉納した四十二名の陶工らの名が刻まれており、数多く軒を並べていたことが伺える。
今戸焼の起源は定かではないが、伝承では天正年間(一五七三~九一)に 千葉氏の家臣が今戸辺りで焼き物を始めたとか、徳川家康入府後三河の陶工が今戸に移って来たともいわれる。「今戸焼」の名としては十八世紀末頃から明らかに見られ、十八世紀前半頃に本格的な土器生産が始まったと思われる。隅田川沿岸はかつて瓦を含めた土製品の生産が盛んであったようで、瓦町の名や瓦焼が早くから知られていた。江戸時代の文献である『江戸名所図会』には瓦作りの挿絵がみられ、「隅田川長流図巻」(大英博物館所蔵)には 今戸焼の窯が描かれている。
近年の江戸遺跡の調査によって施釉土器、土人形や瓦等が多く出土し、そのなかには今戸焼職人の名が刻印されている土器・土人形、今戸の地名を印した瓦も見られ、隅田川沿岸の窯業との関連が注目されている。
関東大震災や東京大空襲により職人が次々に区外へ移り、現在今戸には 一軒のみが残り、伝統を伝える「口入れ狐」や「招き猫」などの人形が今でも製作されている。
平成十三年三月
メモ
今戸神社境内。
住所
〒111-0024 東京都台東区今戸1丁目5
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